中小企業新事業進出促進補助金の賃上げ要件と返還リスクに注意!補助金活用の落とし穴

1.はじめに

この補助金は「新事業への挑戦」だけでなく、 従業員の待遇改善=賃上げ を重視しています。
もし賃上げを実現できなければ、せっかく受け取った補助金の返還を求められる場合があります。
今回は 賃上げ要件と返還リスク を解説します。


2.賃上げ要件の内容

補助事業終了後3~5年の事業計画期間で、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 一人当たり給与支給総額 の年平均成長率が、都道府県の最低賃金の過去5年平均成長率以上
  • 給与支給総額 の年平均成長率が 2.5%以上

👉 簡単に言えば、会社全体として一定の割合で給与を増やすことが求められます。


3.達成できなかった場合の返還ルール

  • 目標値を従業員に表明していなかった → 補助金全額返還
  • どちらの賃上げ目標も未達 → 未達成率に応じて返還
  • 賃上げがゼロまたはマイナス → 全額返還

※ ただし、天災や経営者の責めに帰さない理由、企業全体の赤字などの場合は返還が免除されるケースもあります。


4.事業場内最低賃金要件

さらに、毎年「事業場内最低賃金」が地域別最低賃金より 30円以上高い水準 であることも必須です。
未達成の場合は、補助金を事業計画年数で割った額を返還しなければなりません。


5.賃上げ特例を選んだ場合のリスク

賃上げをさらに大幅に行う「賃上げ特例」を選んだ場合、補助金の上限額が引き上げられます。
ただし、要件を満たせなければ 増額分は全額返還 となるので、慎重に判断が必要です。


6.まとめ

  • 賃上げは補助金の「義務」
  • 未達の場合は補助金の一部または全額返還となる
  • 特例を選ぶと補助上限が増える一方で、返還リスクも大きくなる

補助金は「もらって終わり」ではなく、数年後の経営計画までしっかり見据えることが大切です。

次回は、「申請に必要な準備(GビズID・一般事業主行動計画など)」 を解説します。